【書評】大どんでん返しがくるぅぅぅ??「絶望ノート(著:歌野晶午)」幻冬舎文庫

ソーシャル
LINEで送る
Pocket

こんばんは、めぇ太です。

やっと読み終わりましたよ。歌野晶午の「絶望ノート」。

分厚いっちゅうねん!

637ページの長編です。通勤電車中の往復1時間ちょいでは結構な日数がかかりました。もっと読みたいと続きがどうなっていくのか気になる作品なのに、読む時間がないのはつらい・・・

歌野晶午といえば「葉桜の季節に君を想うということ」ですね。『このミス』とかいろんな賞をとったし、素晴らしい作品でした。どちらかというと僕は「長い家の殺人」とかの方が好きですが、、、

本作「絶望ノート」は作風というか雰囲気としては「世界の終わり、あるいは始まり」とかに近い感じかな。

読み終わったのは今だけど、発刊されたのは結構前で単行本では8年近く前、文庫も4年以上前と今さらな感じですが、やっぱり歌野晶午はいいよね、ってことでご紹介!

スポンサーリンク

あらすじ

本作は大部分が主人公の大刀川照音(たちかわしょおん)が書いた日記に内容になっています。

その日記の表紙には無数の「絶望」と書かれ、中には照音のいじめを受ける日々がつづられていた。

小学校でもいじめられ、中学2年になった今もいじめられる毎日。しかも、いじめの中心人物・是永雄一郎の要求はエスカレートしていき、窃盗までさせられることに。そんな中、いじめメンバーの倉内がいじめの最中に突然ケガをした。照音は倉内のケガの原因となった石を持ち帰り、神様オイネプギプトとして崇め始めた・・・

そんな中、別のメンバーの庵道に万引きをさせられ、さらに店員に発覚して捕まってしまった。隙を見て逃げ出したものの、結局クラス内では万引き犯として広まってしまう。それから毎日神様に祈り、ノートにも庵道への恨みをつづっていると、なんと数日後、庵道が大けがを負って入院してしまった。

神様に祈ったら本当になんとかしてくれた、と照音の神様への信仰はさらに厚くなっていく。

それでも続くいじめに耐えつつ、神様に祈る日々を送っていると、今度は自分のことを隠し撮りされた映像が学校の裏サイトで流され、学校中から笑いものにされてていたと知る。

是永がやったと確信する。

そこからは是永死ねと祈る毎日。

そして実際に是永は学校の屋上から転落死する。

その後も神様に祈ると何人も死んでいく・・・

一体だれの犯行なのか?

あるいは神様の犯行なのか?

作品紹介より

中2の大刀川照音はいじめられる悲しみを日記帳に綴っていた。ある日、苦しさのあまり「神よ、是永を殺してください」と書く。すると、主犯格・是永が死んだ。しかし一向にいじめは止まない。次々に名前を書き付け旧友が死んだ。警察は照音を取り調べたがアリバイは成立。犯人は一体、誰だ?まさか神が?魂の叫びが生んだ驚天動地のトリック!

感想

前半はひたすら照音のいじめられる日々の日記が続くので、読んでて気が滅入ります。結構しんどい。

しかも分厚いからなかなか進んでる気がしない。けど、どんどん読みたくなる、そんな感じ。

子を持つ親的には小説といえども、読んでいて不安になる部分があります。まだ小学校にも行ってないから今から心配しても仕方ないですけど、やっぱり今の時代、昔よりも陰湿で悪質ないじめがあるのではないかと不安になりますね。

まぁでも、結局、あれなんですけどね。ネタバレになるから言いませんけど。

歌野晶午といえば叙述トリック。「葉桜の・・・」のように最後には大どんでん返しの真実が示されます。

ただ、作品紹介にも【驚天動地のトリック】ってあるし、きっと叙述トリックあると身構えてたから「はぁ、そうか」くらいの反応。ちょっとインパクトに欠ける。

もっと、こう「えぇぇぇぇ!そうきたかぁぁぁぁ!?」

みたいなのを期待していただけに期待しすぎてた感があります。

そんなリアクションができるほどの作品はそうそうないのに、勝手に期待を高めるのはよくないですね。

と、書いてきましたがもちろん決しておもしろくないわけではありませんよ!

歌野晶午の作品は最初はずっとじめじめと暗い感じで始まって、後半に一気に動き出して最後にどーん!!!って感じのが多々あります。本作もそんな感じ。動き出してからのストーリーへの引き込まれ方たるや半端ない!

気になって気になって仕方なくて、最後の50ページ強くらいは家で家事しながら読んでました。普段は電車の中だけだけど。

ってことで、別にミステリーが特に好きってわけではない方にも、もちろん叙述トリック好きな方にもぜひおすすめの一冊です。

では!!

LINEで送る
Pocket

スポンサーリンク

シェアする

フォローする