どうも、めぇ太です。
今日はミステリーの紹介をしていきます。
今回は倉知淳さんの「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件」です!
まずタイトルが目を引きますよね。ずっと読みたいと思っていて先月ようやく文庫が出版されました。
タイトルを見た時点で、豆腐を何とかして凶器にして事件がおきたんだろうなぁ、と勝手に想像してしまいます。
倉知淳さんと言えば、2年くらい前に「日曜の夜は出たくない」、「過ぎ行く風はみどり色」、「幻獣遁走曲」などが文庫版で装丁が新しくなって刊行されました。
今回の作品は表題作を含む6編からなる短編集で、1作品だけ倉知淳作品おなじみの猫丸先輩が登場します。
あらすじ
変奏曲・ABCの殺人
自業自得で借金苦に陥ったのに、弟のせいだと考えるダメな男が弟の殺害をもくろむ。そんなときに起きていた通り魔事件に偶然にも関連性を見出して、自分の事件をその一部に紛れ込ませようと計画するストーリー。
男の計画は成功するのか、あるいは。。。
普通に読み進めていって、関連性には気づくものの、オチはどうなるのかとおもっていたら、最後の2行で「あ、たしかに」となります。
社内偏愛
事件は起きない短編。
人事や業務もすべてコンピュータが管理する社会という設定。だが、あまりにもガチガチに管理しすぎるとかえって失敗するため、揺らぎをもたせるシステムが設計されていた。
ある会社では主人公の寺島だけがコンピュータである「マザ・コン」にひいきされるという揺らぎがあった。
会社のすべてを管理するコンピュータにひいきされる寺島はどうなるのか・・・
コンピュータが管理する方が公平で効率性もいいと思いきや、ひいきするとはこれいかに、という感じ。上司が気に入った部下だけをいい評価にしたりするようなものでしょうか。
薬味と甘味の殺人現場
ある殺人事件の現場に到着した警部。一部を除いては普通の事件現場だが、なぜか被害者は口にネギをつっこまれ、頭の近くにはケーキが置かれていた。一体これには何の意味があるのか。事件の真相とは?
一番オーソドックスな推理ものといったところ。捜査に向かった刑事からの情報が集まるにつれ、読者としても推理の材料がそろうので早く読み進めたくなります。
夜を見る猫
休暇をとって田舎のおばあちゃんの家でのんびりする主人公の由利枝。
家にはミーコという猫がいるが、夜になると何もないところをじっと見つめて座っている。
ミーコは何を見ているのか、見えないものを見ているのか・・・?
オカルト的な話かと思っていたけど、ちゃんと読んでたらミーコが何をきにしていたのか推理できます。
豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件
表題作。
戦時中の軍の研究所での事件。謎の研究をしている研究所の一室で兵士が一人死んでいた。現場は密室で床には散らばった豆腐と水。他に凶器になるようなものはなく、豆腐が凶器になったとしか思えないが、、、
豆腐を凍らせて凶器にしたんでしょ、とか思っていたらそうじゃなかった。というところで考えるのをやめましたw
猫丸先輩の出張
おまちかね猫丸先輩の短編。
浜岡が会社の研究所にあるデータを取りに行くよう極秘任務を命じられる。
社運を賭けた重要な任務で向かった研究所にはなぜか猫丸先輩が、、、
無事にデータを受け取り帰ろうと研究所の人と猫丸先輩も一緒に帰ろうとしたところで、事件が起こる。
もう使われていないはずの研究棟に怪しい人影が。
捜索していると、なんと外を調べていた研究所の室長が倒れていた!
近くにはバケツが転がり、あたりは水で地面が濡れていた。
入り口は浜岡が見張り、中は猫丸先輩たちが見回っていたのに犯人はどうやって出ていったのか?事件の真相は。
猫丸先輩は最初に登場した時から30代の小柄な猫みたいな童顔の男なのですが、今ではスマホも登場しているので、歳は取らないけど今の文化を取り入れるサザエさんスタイルですかね。
今回は浜岡の会社の謎のマスコットの着ぐるみを着て登場する猫丸先輩。
そういえば、「幻獣遁走曲」の中の「たたかえ、よりきり仮面」で戦隊もののショーのアルバイトをしていました。
どうやらそれがきっかけで着ぐるみ役者の事務所に入ったということで、マスコットの着ぐるみを着ているという設定です。
短編はどれも違う味があって楽しく読めますが、やっぱり猫丸先輩の作品が一番ですね!
倉知淳作品を読んだことがない人でも、もちろん楽しく読めるのですすめです!
奇想ここに極まれり-
本格ミステリの玉手箱!
戦争末期、帝国陸軍の研究所で、若い兵士が頭から血を流して倒れていた。屍体の周りの床には、なぜか豆腐の欠片が散らばっていた。状況からは、どう見ても兵士は豆腐の角に頭をぶつけて死んだようにしか見えなかったのだが・・・前代未聞の密室殺人の真相は!?ユーモア&本格満載、おなじみ猫丸先輩シリーズ作品も収録のミステリ。バラエティ!
「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件(著:倉知淳)」実業之日本社文庫
740円(税別)