【書評】探偵役が犯人なのか?「双孔堂の殺人(著:周木律)」講談社文庫

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こんばんは、めぇ太です。

昔から毎日通勤中や昼休みには本を読んでいるのですが、このところミステリ作品ばっかり続けて読んでます。新書だったり自己啓発本のようなものばっかり読むこともあれば、今みたいにミステリーばっかり読むことも。今はミステリの周期にあるようです。

周期と言えば、最近、特に「周木律」の作品が多いですね。(無理矢理感)

というわけで、今日は周木律の<堂シリーズ>第2作目「双孔堂の殺人」を読んだのでレビュー!

ちなみに第1作目はこちらでご紹介しています。

【小説レビュー】眼球堂の殺人~The Book~は本格ミステリ好きにおすすめの傑作!

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あらすじ

本作の語り手、警察庁官僚の「宮司司」警視は妹の百合子の頼みで<堂シリーズ>主人公?の数学者「十和田只人」のサインをもらってくるよう頼まれる。十和田の居場所は前作で登場した「驫木煬」こと「沼四郎」が設計した建築物であり、現在は伝説的数学者の「降脇一郎」の邸宅「双孔堂【ダブル・トーラス】」であった。

宮司がダブル・トーラスに到着すると、警察がおり、主人の降脇一郎と招待客である数学者「鰐山豊」の2名がそれぞれ密室で殺害されていた。

そして、例によって無理矢理に共同研究に押しかけていた十和田が犯人は自分しかありえない。と自白した。

十和田は密室となっていた殺害現場で銃を手に持ち、気絶していたのだ。

十和田が犯人なのか、あるいは真犯人がいるのか。

しかも、所轄の現場責任者は早々に十和田を犯人として送ろうとしている。その前に宮司は真犯人を見つけられるのかー

といった感じです。

本書の主人公である宮司警視はところどころに意味深な文があって、今後も登場するようですね。宮司の過去になにがあったのか、気になるところです。

そして、ちょいネタバレになりますが、妹の百合子は院生ながら数学者の素質があるらしく、十和田の居場所を知っていたのも「善知鳥神」に知らされたからだったよう。

「善知鳥神」は前作に登場した事件の黒幕。超天才数学者です。しかも、今回、最後に謎めいた登場をしています。もはや人間ではなくその名のとおり神ですね。

感想

探偵役が犯人と疑われるパターンの作品であり、その後、勾留された状態で謎を解いているので安楽椅子探偵となっている、のかな。

感想としては、前作の方が推理ものとしては好きかなー

トリックは前作の方が館ものの本格推理ものとしてはよかった気がする。

湖までながーい廊下が突き出してるってところから、「絶対これ湖の水がなんかなって、なんやかんやで密室ができあがるやつや」と思ったのに外しました。くそぅ・・・

でも、どうやら本作のポイントは館の仕掛けではないようですね。そんな感じがします。警察庁官僚が現場担当から邪魔するなと言われながらも自分の信念のために動くところ、あと、今後の布石みたいなところがポイントなのでしょうか。

まとめ

宮司兄妹は一体どういう関係があるのか。

善知鳥神は何がしたいのか。

気になるところです。

3月には<堂シリーズ>3作目「五覚堂の殺人」が講談社文庫から刊行される予定らしいので待ち遠しいです。

あと、別シリーズの「LOST 失覚探偵」の中巻も近いうちに出るので先にそっちを読まなきゃ!

【書評】感覚を失くしても謎を解く名探偵「LOST 失覚探偵(上) 著:周木律」講談社タイガ

周木律は今一番勢いのあるミステリ作家ではないでしょうか!!

では!!

二重鍵状の館❝Double Torus❞。警察庁キャリア、宮司司は放浪の数学者、十和田只人に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの隠された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。❝堂シリーズ❞第二弾。

「双孔堂の殺人~Double Torus~」周木 律(講談社文庫)

定価:本体800円(税別)

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