【書評】さらに失われる名探偵の『感覚』!「LOST 失覚探偵<中>(著:周木 律)」講談社タイガ

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こんにちは、めぇ太です。

ついに「LOST 失覚探偵」の第2作目が発刊されました!

本作とは別に<堂シリーズ>も着々と発刊されているので楽しみが尽きません。ってか、作家の周木氏はかなり過酷なスケジュールでしょうね・・・

あ、第1作「LOST 失覚探偵<上>」についてはこちらをご覧ください↓

【書評】感覚を失くしても謎を解く名探偵「LOST 失覚探偵(上) 著:周木律」講談社タイガ

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あらすじ

シリーズ全体のあらすじ(ネタバレ注意)

舞台は戦後の日本。金髪の髪に端正な顔の名探偵・六元十五とその助手・三田村工は戦前から数々の事件を解決してきた。そして、戦後、再び再開した二人に不可解な事件の相談が持ちかけられる。

第1作<上>では【六道】に見立てられた2つの事件が起きる。監獄での焼死事件【地獄】、上流階級のパーティーでの餓死事件【天】。そして、六元は真相を解くとき「収斂」と呼ばれる超集中状態になることで、感覚がひとつずつ失われていった。<上>の時点で緑の視覚、嗅覚、味覚を失ってしまう。

本作のあらすじ(ネタバレ注意)

本作<中>でも2つの事件が起きる。

最初はヤクザの親分が自宅の庭で圧死する、【修羅】の事件。ヤクザだから【修羅】。2ch界隈ではヤクザの多い福岡は「修羅の国」と呼ばれていますね。

それはさておき、木と灯篭があるだけの、草も生えていないだだっ広い庭で一体どうやって圧死したのか。次は【餓鬼】へとつながっていく。

2つ目の事件は戦後当時、貧民窟となっていた四谷で起きた破裂死事件。ろくに食料もない町での事件だから【餓鬼】。

掘っ立て小屋以下の粗末な場所で、ひとりの男が死亡する。爆発物も何もない場所で一体どうやって胃が破裂するに至るのか。

そして、六元は修羅の事件で「青の視覚」を、餓鬼の事件で「触覚」を失う。

残る六道は【畜生道】と【人間道】

六元は一連の事件の真犯人を突き止めることができるのか。

そして、すでに残る感覚は「赤の視覚」と「聴覚」のみとなってしまった状態で事件を解決できるのか。

感想

今回も死因が奇抜でトリックを考えるのが楽しい作品になっています。圧死とか破裂死とか他のミステリーではなかなか見ないですよね。

そして、<上>ですでに3つの感覚を失っているにも関わらず、特に悲壮感とかはないように描かれています。そもそも戦後の日本を舞台にしているので、少し寂れたイメージはありますが、基本的に絶望感とかはなく物語は進みます。ようは謎解きメインですね。

次はいよいよ最終巻<下>となりますが、結末はどうなるのでしょうか。六元の感覚はすべて失われてしまうのか、黒幕をとらえることができるのか。

「LOST 失覚探偵<下>」は春に発刊されるそうです。

あと数か月、楽しみですね!!

では!!

作品紹介より

「失覚の病」、それは謎を解くと五感のひとつを失う、不治の病。病魔に冒された美貌の名探偵・六元と、助手の三田村は、荒廃した戦後の東京で、六道に擬えられた二つの殺人事件を解決した。直後、立て続けに、足跡なき開放空間での圧死ー修羅の事件、凶器のない密室での爆死ー餓鬼の事件が!探偵の尊厳を奪い、すべてを操る黒幕は!?失われる探偵の物語、加速する第二幕!

「LOST 失覚探偵<中>(著:周木 律)」講談社タイガ

定価:690円(税抜き)

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